大きな木の下で

000 かこのゆめ


彼の後ろには、キラキラと光る星空。
そう、そのは夜だった。
「さぁ、僕の眼をみて」
口元に笑みを浮かべながら、そして、額をこれ以上なく優しく撫でられながら、彼は甘く囁く。
―――ああ、今日も見てるのか。
「やだ…」
抵抗を試みるが、動くことができない。
町全体が一望できて、そして今日のように星が一番よく見える、お気に入りの場所。
「嫌がらないで、僕たちにとって、とても、とても良いことなんだ」
額に添えられていた手が、頬を撫でる。
肌から感じる生気を感じない氷のように冷たい手が、余計に今の状況を怖く感じさせた。
「ほら、こちらを向いて」
顎を乱暴につかまれ、無理やり正面を向かされる。
せめてもの抵抗で、目を閉じるが、瞼さえ動かない。
「いいこだね。大丈夫怖くないよ…」
優しく笑う口元。
けれど目の前の金色の瞳は笑っていない。
「ばいばい。またね」